綱引マシンの解説



綱引マシンの構造

 ・綱引マシンは昔、高圧線の送電線を張るときのテンション(張力)を一定にする為の機械を改造した
  ものが商品化されましたが、二百数十万円と高価なものであまり普及しませんでした。
  現在では3点式の定滑車で重りをつり上げるタイプの綱引マシンが主流で、各チームが自作しています。
  全国各地のチームが所有している綱引マシンの力作は、綱引マシンGALLERYで紹介しております。

 ・鳥取県の大栄TCが開発した体育館用の簡易式個人用綱引マシンは、製作費用が4〜5万円程度と安価で、全国の殆どの体育館で使用することができ、
  脱着が簡単で持ち運びも可能です。


「体育館用の簡易式個人用綱引マシン(定滑車式)の参考図」


 ・個人用綱引マシンの基本構造は、上図の通り3点式の定滑車で構成されています。
  製作にあたっては、下記の条件を満たすことを推奨します。

  1. 滑車はベアリング入りを使用し、耐荷重300キロクラスのものを使用すること。
  2. 滑車のプーリは直径100mm程度のものを使用すること。
  3. ワイヤーは直径6mmのスチールワイヤーを使用すること。
  4. おもりは70〜200kg位まで5kg単位で可変できこと。
  5. 支点の高さは床面から30〜60cmの範囲で5cmピッチで可変できること。(重要!)
  6. おもりを上げる距離は最低でも1m程度は可能であること。
  7. おもりはフリーウエイトとし、回転防止を施す場合は摩擦抵抗が最小限になるように留意すること。
  8. ロープが回転する場合はワイヤーにねじれ防止金具(より戻し)を入れること。
  9. マシン用のレーンは競技用レーンが望ましい。

 ・定期点検
  ワイヤーはトレーニング開始前に、損傷がないか必ず点検すること。

 ・8人用綱引マシンへの応用
  8人用綱引マシンの基本構造は個人用綱引マシンと同じです。
  上記の個人用綱引マシンで推奨した条件と違う部分だけ説明します。

  1. 滑車はベアリング入りを使用し、耐荷重2トンクラスのものを使用すること。(*上記1)
  2. ワイヤーは直径10又は12mmのスチールワイヤーを使用すること。(*上記3)
  3. おもりは800〜1600kg位まで40kg単位で可変できこと。(*上記4)





綱引マシンの使用方法

 ・個人用綱引マシンでトレーニングする場合、マシンの支点の高さはには非常に重要な要素が存在します。


 ・上図に於いて、マシンの支点が床面から50cmと仮定しましょう。
  この場合、支点に対して力点は、上図1、2、3の3つの方向に区分されます。
  この区分は、次の5つの因子により発生します。

  1. おもりの重量
  2. 選手の身長
  3. 選手の体重
  4. 支点から出ているロープの持つ位置
  5. 選手のフォーム

  上図に於いて、1よりも2、2よりも3の方向に引くことで、より大きな負荷を引き上げることができます。
  上記の5つの因子の内、1から4までが同じ条件で、異なる選手が実施した場合でも、選手のフォームによって力点の方向に違いがでます。
  上図に於いて、力点の方向が1になってしまう場合は、靴底の摩擦抵抗が小さくなり、高負荷のトレーニングが実現できません。
  従って、個人用綱引マシンに於ける支点の高さは、自由に調節できることが必要です。

  重要なポイント1
  ・個人用綱引マシンに於けるトレーニングは通常、上図の支点位置2で実施することが望ましい。
  ・上図の支点位置2で引くためには、おもりの重量が軽ければ支点を上げ、重くなる程その支点を下げる。

  重要なポイント2
  ・個人用綱引マシンでは極端に支点を下げることで、通常では得られない高負荷トレーニングが実現する。
  ・引く方向は実戦とは違うが高負荷の体感ができるので、時々やってみるのも良い。

  重要なポイント3
  ・個人用綱引マシンでは上図の支点位置1でトレーニングしないこと。
  ・上図の支点位置1でトレーニングしても、高負荷のパワーアップトレーニングは実現しない。
  ・上図の支点位置1でトレーニングしていた選手は、支点位置を2か3に変更しただけで、その効果は数値で証明される。
  ・身長の低い選手は上図の支点位置1でトレーニングしている傾向がある。
   これでは上達が遅いばかりか、自信を無くすことがある。

  重要なポイント4
  ・個人用綱引マシンの支点の高さは、選手個人に適合した高さを個別に選択することが大切である。
   個人に適合する支点の高さの違いは、8人のポジションを決定するときのヒントになる。


  綱引マシンを利用した具体的な練習方法は、綱引競技トレーニングマニュアルに掲載されます。